フェムテックとは?注目の理由や活用方法を徹底解説!おすすめの商品をご紹介
健康が不安な症状ごとにおすすめの商品もあわせてご紹介。
「フェムテック」と「フェムケア」は、若干の違いはありますが、どちらも女性特有の健康課題を解決するのに役立つ商品やサービスのこと。自分の体調に左右されず、これからのキャリアや人生の目標を達成するためにもフェムテックの活用はおすすめです。
本記事では、フェムテックとフェムケアの違いをはじめ、フェムケアが注目されている理由やフェムケア市場の現状と展望を解説します。あわせて更年期のフェムテックがおすすめな理由や、最新製品、オイルを使ったフェムケアのやり方まで徹底解説!
Femcare(フェムケア)とは、「Feminine(女性の)」と「(Care)ケア」をかけ合わせた造語で、女性の身体や健康のケアに焦点をあてた製品・サービスです。また、女性にとって働きやすい社会や環境のサポート、生活の質(QOL)を上げるといった広い意味でも用いられています。
生理・妊娠・出産・更年期などのライフステージごとに起きる女性特有の体調不良は、日々の仕事にも大きく影響するため、女性の社会進出を背景にフェムケアは広がりを見せ始めました。
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Femtech(フェムテック)とは、「Female(女性)」と「Technology(テクノロジー)」をかけ合わせた造語で、「生理・月経」「妊活・妊よう性」「妊娠期・産後」「プレ更年期・更年期」など女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決するための製品・サービスのことです。
AIといったテクノロジーを駆使し解決するFemtech(フェムテック)、テクノロジーに由来しないFemcare(フェムケア)という点に違いがあります。Femcare(フェムケア)は、テクノロジーに由来しない製品と覚えておくと分かりやすいでしょう。
フェムテックやフェムケアは女性だけに関連するものと思われがちですが、社会や企業がフェムテックを推進することで、男女問わず全ての人々のウェルビーイング(身体的、感情的、精神的、社会的にも健康な状態)につながっていきます。
SDGsの達成目標の1つである、「ジェンダーの平等を実現しよう」に関する意識の向上のように、社会的な関心が向けられることが増えてきています。2024年の「ジェンダー・ギャップ指数(GGI)」で日本は146か国中118位と、先進国の中では下位です。経済格差、国会議員や管理職の割合の低さ、家事・育児の負担の大きさなどが問題になっています。
世界的に取り組まれているSDGsで、国境や人種をこえてジェンダーに対する意識が高まっている中で、フェムケアによって、女性の健康と福祉を向上させられることが期待されています。
「生理痛や更年期障害で仕事が思ったようにできない」「出産や妊活のためにキャリアを諦める」といった、女性の健康課題と仕事の両立の難しさが社会全体の問題となっています。 女性が直面するライフイベントや心身の健康課題は、女性だけの話ではありません。
周りの人もその健康課題を知り、気遣うことで職場のマネジメントが改善し、関係がより良くなります。女性特有のニーズにあった、より働きやすい環境を実現することが大切です。
女性の社会進出が進む中で、女性特有の健康課題に対処しないと、社会や企業にとって労働力や生産性の減少などの負の結果をもたらします。
経済産業省の発表した「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」によると、更年期症状や婦人科がんといった女性特有の健康課題による社会全体の労働損失や経済損失は、社会全体で約3.4兆円とも推計されています。経済損失を防ぐためにフェムテックを活用する企業が増えてきています。
フェムテックが注目されるきっかけのひとつに、女性が健康課題に関する悩みをオープンに発信できる場が増えたことがあります。今まで性についての悩みを他人に話すことはタブー視されてきましたが、スマホやSNSなどのコミュニケーションツールの普及により、女性が自身の健康課題について自由に発言しやすい環境ができました。
女性の特有の健康問題が表面化したことで、社会全体がジェンダーに関する意識が高まっています。
経済産業省が掲げる「女性版骨太の方針2024」ではフェムテックの推進が掲げられています。具体的に、次のような2つの方針が発表されました。
1.フェムテック等サポートサービス実証事業により、更年期等へ対応する日本発のフェムテック製品・サービスの活用を促進し、企業における更なる好事例の創出を図り、自治体及び中小企業への横展開等に取り組む。
2. 生理の貧困への対応、フェムテックの推進と更なる利活用、緊急避妊薬の利用に向けた検討、スポーツ分野における女性の参画・活躍、女性医師に対する支援等を推進する。
女性が働きやすい社会はメリットが大きいという意識の高まりや、国を挙げてフェムテックに取り組んでいる点も含め、フェムケア市場の支援推進の拡大が注目されています。
フェムテックやフェムケアが注目されるようになった理由の1つに、AI(人工知能)、テクノロジーの進化があります。AI、テクノロジーの進化により、一人ひとりの健康状態に合わせたヘルスケアの提供や、精密なデータ分析が可能に。
例えば、オンライン上でピルを処方するサービス、卵巣年齢やホルモンなどの診断キットや、基礎体温や生理日を入力すれば、自動的に次の生理日や排卵日を予測してくれるアプリが挙げられます。
40歳~50歳頃は、女性が閉経を迎える前後約10年間の更年期にあたる時期です。女性ホルモンが減少するため、外陰部や腟などのフェムゾーンにさまざまなトラブルが起こる「GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)」にかかりやすくなります。
心身の変化を感じはじめたときにフェムテックを活用すれば、更年期だけでなく、更年期が終わった後の生活の質が大きく変わります。フェムテックは、むしろ心身が変化していく更年期にこそ、積極的に取り入れたいものです。
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更年期にこそフェムテックがおすすめ!人気の商品やアプリを詳しく解説
月経や妊娠、更年期などの女性ならではの悩みや健康課題をテクノロジーで解決へと導く最新の製品やサービスを7つご紹介します。自分の悩みにあわせてフェムテックを活用するとよいでしょう。
医師による診察なしでは購入できない低用量ピル。オンラインピル処方は、どこにいてもスマホやPCひとつで医療サービスを受けられ、地理的な制約や移動の必要がないため、忙しい人や遠隔地に住む人に便利な診療サービスです。
卵子凍結サービスとは、将来の妊娠を見据えて、凍結された受精前の卵子を保管するサービスのこと。1回の月経周期で通常は1~2個しか排卵されない卵子を、排卵誘発剤で複数個育てます。育てた卵子を体内から外に取り出し凍結保管する方法です。
体内から取り出された卵子は-196°Cの液体窒素の中で質を劣化することなく保存。将来「妊娠したい」ときに凍結した卵子を解凍し、体外受精(体外で精子と受精させる治療)に使用できます。
更年期サポートアプリとは、更年期障害に悩む女性たちに向き合うアプリです。発汗、動悸、不眠などの症状とその程度を毎日記録することで、個人に合ったアドバイスが表示されます。自分の体の変化を継続して記録することで、自分にあったセルフケアの解決策を見つけられます。
骨盤底筋には排尿・排便をコントロールする役割があります。出産時や更年期には特に尿漏れになりやすいため、骨盤底筋トレーニングアイテムでトレーニングを。はじめての方には、家事や仕事の合間に取り入れやすい足に挟んで使う骨盤底筋トレーナーがおすすめ。
女性の膣内は、ストレスや加齢によって乳酸菌が減少します。すると、悪玉菌が繁殖して膣内フローラが乱れ、かゆみや匂い、ムレなどのトラブルが頻発。膣内環境を良好に整えてくれるサプリメントを取り入れることで、かゆみや匂いといったトラブルを予防できます。
デリケートゾーンの悩みに寄り添い、ケアできるアイテムのニーズが高まっています。デリケートゾーンにあわせてpH値や洗浄成分を調整した専用ソープや、保湿効果が高く乾燥や荒れを防げるオイルケアが人気です。
セルフプレジャーとは?「self=自分で」「pleasure=快感を得る」こと。最近は女性がプレジャータイムをより快適に過ごすために、トライしやすい価格のプレジャートイからかわいいデザインのトイまでバリエーションが豊富になってきています。
環境問題への関心の高まりとともに注目を浴びている、人と地球にやさしいエコフレンドリーなフェムケア製品。ここでは「吸水ショーツ」「月経カップ」「授乳用吸水ブラジャー」をご紹介します。
吸水ショーツは、クロッチ(股)部分に吸水シートや防水シートを重ね合わせることで、ナプキンやタンポンを使用しなくてもショーツ自体が吸水できるように作られています。洗濯して繰り返し使用できるので環境にやさしいのが特徴です。
月経カップは膣内に医療用シリコンを使用したカップを挿入して、経血を溜める生理用品です。約8時間まで使用できる商品が一般的で、何度も紙ナプキンを交換する手間が省けて便利。繰り返し使用できるため、経済的で環境にやさしいと注目されています。
吸水ブラジャーとは、授乳期に使う授乳ブラジャーに吸水機能をプラスしたブラジャーです。使い捨ての母乳パッドを使わなくても母乳が漏れるのを防げるので、繰り返し使用できてエコ。肌に触れる面が綿素材のものも多く、使い捨ての母乳パッドが合わない方にもおすすめです。
まずは自分の身体と向き合い何に不安を感じているのかを知り、月経や妊娠、産後ケア、セクシャルウェルネス、更年期のお悩みを解決してくれるフェムケア製品を取り入れて快適な日々を過ごしましょう。
吸水ショーツは、ナプキンやタンポンを使用していなくても、経血を吸収してくれるショーツです。ちょっとした動作で起こる、軽い尿漏れに対応できるので、40~50代の方にもおすすめです。普段のショーツと同じように、履くだけで簡単に使用できます。ナプキン無しで使用できるので、ゴワゴワ感を感じないのがメリット。
洗い方は、経血の色が出なくなるまで手洗いをし、洗濯ネットに入れて、洗濯機で洗う3ステップ。洗濯機が使えるので、時間をかけずに手入れできます。
環境にやさしい生理用品としても注目されている月経カップ。手洗い後、挿入しやすいよう月経カップを水で濡らしカップの側面を折り込んで膣内の奥まで挿入します。痛みが生じることもあるので、力を抜いて入れるのがポイント。はじめての方や慣れていない方は、お風呂場やトイレで行うのがおすすめです。
使用後は、手洗い後、膣内に指を挿入して月経カップをゆっくり引っ張ります。見つかりにくい場合は、お腹に力を入れていきむと取り出しやすくなります。取り出した後、月経カップを専用の消毒アイテムや煮沸で消毒して乾かします。更年期に出血が長期間続き、ナプキンでかぶれた場合にも月経カップがおすすめ。
膣ケアは膣の中と膣まわりを含むデリケートゾーンをオイルで揉みほぐすケア方法です。手のひらでオイルを温めてから全体をなでるようにオイルを塗り、指を使って優しくケアしましょう。オイルで揉みほぐすことで、冷え性予防やホルモンバランスが整うなどのうれしい変化が見られます。
膣トレとは骨盤底筋という筋肉を鍛えるトレーニングのことです。骨盤底筋を意識して、「息を吐きながら膣・尿道・肛門を10秒程度かけて締める」、「息を吸いながら10秒程度かけて緩める」を繰り返します。下腹がすっきりしてスタイルアップし、産後に悩まされていた尿漏れの改善が期待できます。
月経管理アプリは、50代にも使いやすい更年期モードがあるアプリがおすすめ。月経不順・妊娠・不妊・更年期など年代やライフステージによって女性の健康課題は変化していくため、月経管理アプリも自分の体調や年齢にあったものを選びましょう。
妊活サポートアプリの基本は、排卵日を予測できること。カレンダー形式のアプリは、生理・排卵日と他の予定が一目でわかるので理想的です。排卵日が予測しやすいように、基礎体温をグラフにする機能付きのアプリを選びましょう。
フェムケア市場は2016年頃から新興市場として注目され始め、2019年時点では世界全体の市場規模が820億円、投資額が640億円という規模になりました。現在も成長傾向にあり、2025年には市場規模が5.5兆円に達すると予測されています。
2019年~2020年はメディアの影響で吸水ショーツや月経カップが注目されたこともあり、生理(月経)分野の成長が拡大。2021年頃から更年期分野への注目度が高まってきているため、今後さまざまな製品・サービスの開発・投入を通じて、市場の成長が期待されています。
出典:「経済産業省のフェムテック推進について」経済産業省 公式HP
出典:「経済産業省のフェムテック推進について」P.16 経済産業省 公式HP
生理痛やPMS、妊活、産前産後、更年期、老年期と、女性はそれぞれのライフステージで心と身体の悩みを抱えることが多くあります。女性特有の悩みを緩和・サポートする商品やサービスとして、「フェムテック」「フェムケア」が近年注目を浴び、技術の進化や女性の社会進出に伴い、急速に発展しています。
女性の価値観やライフスタイルが多様化する今、女性が十分に活躍できる社会作りが求められています。フェムテックとフェムケアを活用することで自分自身の心と身体への理解を向上させ、自分らしいライフスタイルを送りましょう。
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