結婚が決まり結納を行う場合は、結納金の準備が必要となります。結納金とは誰が準備するものなのか、相場がいくらなのか分からず困っている方は多いのではないでしょうか。
今回は、誰が準備するものなのか、相場やマナーなどの結納金に関する基礎知識を徹底解説します。結納を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
結納金とは?
そもそも結納金とは、どのような意味があるものなのか知っていますか?結納金とは、結婚の準備金のことです。
結納金は、地域によって「金包」「御帯料」「小袖料」などと呼ばれ、結納品のひとつに含まれています。結納金は基本的には、結納の際に男性側から女性側に贈られるものです。ただし、男性が婿入りする場合には女性側から男性側に贈られることになります。
結婚するということは、男性側の家が女性を嫁にもらうことです。嫁となる女性を育ててくれた親へのお礼の意味で渡すお金として、結納金の文化が始まりました。
結納金の文化が始まった鎌倉時代頃は、現金ではなく酒や魚、着物などを渡すことが一般的だったと言われています。現在では、結納金として現金を用意することがほとんどです。
家父長制度がなくなった戦後からは、結婚によって新しい戸籍が作られることになりました。このような制度の変化も影響して、結納金の中に「女性を育ててくれたお礼」という意味は薄れてきています。そのため現在の結納金では、結婚のための準備金という意味を込めて贈られることが一般的です。
結納は、主に伝統的な形式である「正式結納」と近年の主流となっている「略式結納」の2種類があります。簡単に説明すると、正式結納は仲人が両家の間を行き来して結納品のやり取りを行う形式、略式結納は両家が一度に集まり結納品をやり取りする形式のことです。
正式結納では9品の結納品を、略式結納では5〜7品の結納品を準備します。
基本的に正式結納では結納金が必要ですが、略式結納では結納金なしのケースもあります。
結納金のギモンを解説
結納金とはどんなものか、どのような意味が込められているかわかったところで、結納金に対するさまざまなギモンについて解説していきます。
結納金はいくら用意すればいいのか、誰が準備するものなのかなど結納金に関するよくあるギモンについて解説しています。結納金に関して悩んでいる方は、ぜひ確認してください。
結納金を準備するのは誰?
結納金は結納品と同じく、男性側が全額準備して女性側に贈るのが一般的です。しかし婿養子の場合は例外で、女性側が男性側に贈ることになります。
結納金は男性側から女性側に贈るもので、男性本人または男性側の親が準備します。結納金は高額であることがほとんどなので、男性と男性側の親が出し合って準備することも多いです。
お見合い結婚が主流だった時代では、家同士の結婚という文化が強くあったため、結納金も男性側の親が準備することが多くありました。現代ではお見合い結婚よりも恋愛結婚が主流であること、結婚も遅くなってきていて男性本人に経済力があることなどから、男性本人が準備することが増えてきています。
結納金の準備は、一般的に男性側の家であれば男性本人でも親でも問題ありません。親の考え方や男性の経済力によっても変わるので、親の意向も聞きながら決めるといいでしょう。
結納金の相場
結納金には、明確にいくら用意するという決まりはありません。しかし、キリの良い数字で準備することが多いです。50万円・100万円・150万円などのキリのいい数字が好まれる傾向があります。
その中でも特にキリの良い100万円が、結納金として1番主流な金額だと言えます。結納金の金額は、親と相談したり女性側にもさりげなく聞いてみたりして決めましょう。
結納金に関するマナー
結納金は、水引で装飾された「結納金封」もしくは水引飾り付きの桐でできた箱「金子箱」に入れて渡します。結納金が高額な場合は、封筒である「結納金封」だと厚みが出てしまうので、「金子箱」に入れるといいでしょう。
表書きは、関東では「御帯料」、関西では「小袖料」「帯地料」など、地域によって書き方が異なります。自分の地域の書き方を事前に調べておくようにしてください。
また、結納金は基本的に男性側から女性側に、結婚のための準備金として贈るものです。男性側の家のほうから「結納金はなしにしましょう」という提案をすることはマナー違反に当たるので注意が必要です。
ただし、女性側から結納金はなしにしましょうと申し出があった場合は、両家で話し合い結納金はなしとする場合もあります。2人だけではなく親も含めた話し合いで、全員が納得する形で結納金の金額を決めるようにしましょう。
結納返しとは?
結納返しとは、主に関東地方の文化です。結納金をいただいた女性側は、男性側に対して結納返しを行います。男性側からいただいた結納金の半額程度のお返しを行うことが一般的です。
関西では結納返しは行わない、または1割程度の金額で結納返しをするなど、地域によっても金額は大きく異なります。事前に自分の地域の結納返しの金額相場について、よく調べておきましょう。
いただいた結納の半額程度のお返しを、現金または品物で行うことがほとんどです。いただいた結納金の金額によっては、結納返しもかなりの高額になります。現金にするか品物にするかは、さりげなく男性や男性側の親の意向も確認するとトラブルを防げるでしょう。
結納返しを品物で行う場合は、本人の希望を聞いて選ぶことをおすすめします。腕時計やスーツなど、日常的にも使える高価なものを結納返しとして贈ることが多いです。そのほかにも、新生活に必要な家具や家電などの2人で使えるものを一緒に選ぶこともあります。
2人だけではなく両家の親も関わる問題なので、お互いが納得するように話し合うことがおすすめです。品物の場合、できるだけ記念に残るようなものを選ぶといいでしょう。
結納金の使い道
一般的に女性がいただく結納金は、どのような使い方が多いのでしょうか。高額な結納金をいただくことも多いので、その使い道に悩む方も多いです。
ここでは、主流な結納金の使い道を紹介します。結納金の使い道に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
結婚式の費用
結婚式を挙げる予定のある2人なら、結納金を結婚式の費用にあてることもあります。元々高額な費用のかかる結婚式ですが、ドレスや色打掛などの衣装で、女性に特に費用がかかる傾向があります。
2人で行う結婚式の費用でありながら自分の理想の衣装や演出へのこだわりに使うことができるので、結婚式費用は人気の結納金の使い道です。
家具や家電
新生活を始めるにあたって必要となる家具や家電も、結納金の人気の使い道のひとつです。一人暮らしをしていると持ち寄りで新生活を始めることもありますが、洗濯機や冷蔵庫、テーブルなど大きなサイズに変えたいものも多いですよね。
特に家電は、日々の家事負担を減らせる最新モデルを購入するとなると高額な費用がかかります。結納金のおかげで、最新モデルや便利な機能のある高価な家具家電を購入できたという夫婦も多いです。
新婚旅行の費用
新婚旅行の費用に結納金を使う夫婦もいます。結婚式や新婚旅行のために貯金をしていても、予想以上に出費が多く足りなくなってしまうことも多いです。その際に、理想の目的地やホテルに滞在できるよう、結納金を使う人もいます。
2人で楽しめる新婚旅行なので、2人や両家の親が納得していれば新婚旅行に使うことは問題ありません。しかし結婚のための準備金である結納金としての使い道からは外れた印象があり、記念に残りにくい面もあります。
結納金の全額を新婚旅行の費用に使うのではなく、他のものに使った残りを旅費にあてたり、旅費のどうしても足りない分に結納金を使うのがおすすめです。
将来のための貯金
結婚準備金だからといって急いで使うことはせず、貯金をしておく人も多くいます。今すぐ欲しいものがない方や、結婚前の貯金が十分にあった方は、あえて結納金は使わずに貯金しておくこともひとつの手です。
自分のためには使わず、子どもが生まれたときのためにとっておくという夫婦もいます。結婚後も予想外の出費は多くあるので、いざというときのために貯金する夫婦は少なくありません。
結納金を使うときの注意点
結納金の使い道はここまで紹介したように夫婦によっても異なり、特に決まりはありません。しかし、結婚のための準備金という結納金本来の意味については忘れないようにしましょう。
また、結納金は本来、男性側の家から女性側の家に親から親へ贈られるものです。そのため、使い道は女性側の親が決めるという考え方もあります。勝手に使い道を決めてしまうのではなく、女性側の親が決める、もしくは親と相談して決めるという基本を頭に入れておきましょう。
女性側の親が使い道を決めるといっても、実際には結婚する2人のために使ったり、将来や産まれてくる子どものために一旦預かっておいたりすることが多いようです。
「結婚準備や新生活のために使ってね」と使い道を任せてもらえることも少なくありません。このような場合でも、「結婚式の費用に使いました」「新生活に必要な冷蔵庫を購入します」など両家の親にも使い道を伝えると丁寧です。
まとめ
結納金とは、結納の際に男性側から女性側に贈られる結婚のための準備金です。金額に明確な決まりはありませんが、キリのいい100万円が特に主流となっています。
いただいた結納金は、半額程度を結納返しとしてお返しし、残りは結婚準備や新生活で必要なもの、結婚式の費用など2人のために使われることが多いようです。また、結納金の使い道は勝手に決めるのではなく親と相談し、両家の親や男性に報告して使うのが丁寧です。
今回の記事を参考に、結納金に関するさまざまなギモンを解決してくださいね。