結納で男性側からいただいた大切な結納品。
自宅に持ち帰ってきた後どうしたらいいのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
なにを飾るのか、処分してもいいのかなど扱いに困ってしまいますよね。
今回は、結納品を飾る期間や飾った後の処分方法から活用方法まで詳しく解説します。
結納品は心のこもった贈り物
結納品とは、結納の儀式において婚約の印に男性側から女性側へ納める品物のこと。
結納品の数々にはこれから結婚するふたりの長寿や子宝、円満を願う気持ちが込められています。
男性側からの心のこもった贈り物なので大切に扱いましょう。
結納品は結婚式当日まで飾る
結納品は結納の日から結婚式の当日まで飾っておくのが一般的です。
飾る場所は女性の実家。床の間のある和室に飾るのが正式とされています。
床の間のない場合は高さのある台を用意し、その上に飾るようにしましょう。
婚約前から一人暮らしをしていたり、同棲を開始していたり既に女性が実家を出ている場合も同様で女性の実家に飾ります。
結納から結婚式までの期間が長く、置き場所に困る場合は結納から数日~1ヶ月程度飾ったあと一旦片づけても大丈夫です。
ただし、結婚式が近くなったら再度飾り直して当日までそのままにしておきましょう。
結納品は処分してもいい
結納品はすべて保管しておかなければならないと思われがちですが、処分しても問題ありません。
ただし、縁起物である結納品を処分する際には最後まで丁寧に扱うようにしましょう。
「保管するもの」「使用するもの」「処分するもの」に分けよう
結納品は結婚式が終わったら役目を終えます。
結婚式の余韻に浸り、結婚式が終わってからもそのままにしておきたいと思うかもしれませんが速やかに片付けるようにしましょう。
まずは結納品を保管するもの・使用するもの・処分するものに仕分けするのがおすすめです。
参考までに分け方をご紹介します。
保管するもの
目録 / 茂久録 (もくろく)
目録には贈られた結納品の内容がすべて記載されています。
結納の大切な記念の品にもなりますので末永く保管しておきましょう。
使用するもの
末広 / 寿恵廣(すえひろ)
末広は白扇子のことで正装の小物です。
結婚式や将来、入学式などのお祝いの席で使用できます。
友白髪 / 共白髪(ともしらが)
友白髪は麻糸の束のことで「夫婦ふたり揃って白髪になるまで長生きしますように」といった意味が込められています。
処分しても問題ありませんが一部の地域では家の新築や増改築の際、お札を柱にくくりつけるために使います。
高砂人形(たかさごにんぎょう)
縁起のいい置物なので飾っておくのがおすすめ。
ガラスケースに入れておくと人形に埃がかぶることもないため、長く飾っておけますよ。
その他 敷物・結納箱・風呂敷など
日常生活でそのまま使えるものは使いましょう。
敷物は子どもが生まれたら節句人形を飾る際に使えます。
結納箱は大きさも十分なので衣装ケースや収納ケースとして使えますよ。
風呂敷は一枚あればさまざまな用途で使えて便利です。
処分するもの
白木台(しらきだい)
結納品を載せておくための専用の台のことです。
棚の上において小物入れとして使う方もいますが基本的には他に使い道がありません。
処分する方も多いです。
金宝包(きんぽうづつみ)
結納金や結納金返しを入れるための桐箱や祝儀袋のこと。
使い道が特にないため処分するのがいいでしょう。
その他 目録以外の紙類
食品はありがたくいただいて処分する
寿留女(するめ)・子生婦(こんぶ)・勝男武士(かつおぶし)
結納品の中にはするめやこんぶ、かつお節などの食品も含まれます。
お祝いごとには欠かせない食品であったり、食品ごとに「子宝に恵まれますように」といった願いなども込められていたりするので余すことなく食べきるようにしましょう。
結納品の食品は日持ちするものがほとんどですが、普段の料理に加えたりお祝いの日の特別な料理に使用したりして早めにいただいてくださいね。
長熨斗(ながのし)/ 熨斗(のし)
長熨斗(ながのし)、熨斗(のし)はアワビの身を叩いて薄く伸ばしたもののこと。
現在ではビニール製の模造品がほとんどで使い道はありませんので処分しましょう。
家内喜多留(やなぎだる)
家内喜多留(やなぎだる)は本来はお酒の入った酒樽です。
最近では、酒肴料(しゅこうりょう)として、現金を用意する場合がほとんど。
酒樽の場合は、結納当日の食事の際に一緒に飲むこともできます。
結納品の処分方法は主に3つ
保管場所がない、活用方法がわからないなどの理由から結納品を保管せず処分する場合もあるかと思います。
処分する際の注意点と共に、結納品の処分方法を3つご紹介しますね。
一般ごみとして処分する
結納品は一般ごみとして処分することもできます。
しかしながら、普通の一般ごみとは異なり男性側からの心のこもった贈り物です。
きれいな白い紙に包んだり、お清めの塩をふったりとできる限り丁寧に扱いましょう。
結納品だけごみ袋を分けて処分してもいいですね。
ほかの一般ごみと同じ袋に入れる場合は、結納品を一番上に置くようにしましょう。
結納品の中には紙製だけでなく、プラスチックやほかの素材でつくられたものが含まれる場合もあります。
自治体の分別方法に従って処分してくださいね。
お焚き上げをしてもらう
結納品は粗末に扱うことはできませんので、神社や寺院でのお焚き上げをしてもらってもいいでしょう。
一般ごみとして出すのは気が引ける方はお焚き上げがおすすめです。
供養後に神聖な火で炊き上げることで結納品が浄化されると考えられているため、丁寧に手放すことができますね。
お焚き上げができる品物は、神社や寺院ごとに異なります。
事前に電話やメールで問い合わせましょう。
リメイクして活用する
結納品の水引は、リメイクすれば羽子板やアートパネルなどさまざまなものに活用できます。
活用方法は次項で詳しくご紹介しますね。
水引の活用方法10選
結納品には豪華で目を引く水引がついています。
結納品の水引は立体的で美しいため、そのまま処分するなんてもったいないと思う方も多いはず。
そんなときには水引を活用してリメイクアイテムをつくってみましょう。
おすすめの水引活用方法10選をご紹介します。
羽子板
結納品の水引には鶴や亀などのモチーフ、金や銀、赤などさまざまな色が使われており、羽子板につけるととても豪華になります。
羽子板は女の子の初正月の床の間飾りとして、とても縁起がいいものとされています。
将来の娘のためにもぜひつくっておきたいアイテムですね。
結納品の水引は立体的で大きなものが多いのが特徴です。
自分で扱いにくい場合は、結納屋さんに頼むと羽子板にリメイクしてくれるところもありますよ。
アートパネル
結納品の水引をパネルにバランスよく並べ、アートパネルをつくるのもがおすすめ。
結婚式のご祝儀袋の水引と合わせるとたくさん水引が集まるため、見た目にも豪華なアートパネルになりますよ。
結納や結婚式で撮ったお気に入りの写真を中心に飾れば忘れられない思い出の一品に。
新居の玄関やリビングにアートパネルを飾っておくことで、お客様にも見てもらえますね。
アクセサリー
水引がついたアクセサリーは、華やかでかわいらしく乙女心をくすぐります。
ピアスやイヤリングなどのアクセサリー、バレッタやヘアゴムなどのヘアアクセサリーも和の装いにぴったりです。
ひとつ身につけるだけで一気に顔周りが華やかになるのでおすすめ。
インターネットで検索するとつくり方もたくさん出てきますので探してみてくださいね。
箸袋
ご祝儀袋を封筒と水引に分解して箸袋の形に整えるだけ。
自宅でも簡単につくれます。
客があったときやお祝いの日の食事にぴったりの箸袋です。
箸置き
水引をカットして箸置きにちょうどいい大きさにバランスよく整えます。
水引の箸置きは和食のテーブルコーディネートにぴったり。
大切な方との食事会で使えば褒められること間違いなしですよ。
グラスマーカー
水引を使ったグラスマーカーもテーブルコーディネートを引き立てるアイテムです。
グラスに水引を巻きつけるだけなので不器用な方でも簡単につくれますよ。
しめ縄
お正月に飾るしめ縄にも和のテイストの水引はよく合います。
しめ縄の華やかさが格段にアップ。
高級感のあふれるしめ縄飾りになりますよ。
リース
リースならお正月以外にも飾れますよ。
自由にアレンジ可能なので自分好みのリースをつくってみてくださいね。
ポチ袋
お年玉を入れるポチ袋に水引をプラスすれば、いつもと違うちょっとおしゃれなポチ袋に。
貰う側の子どもたちもうれしいことでしょう。
お世話になった方への心付けとして現金を包むポチ袋にもなりますね。
丁寧につくることで気持ちも伝わります。
ガーランド
和の水引はガーランドにも活用できます。
和室の壁に水引ガーランドを飾れば味気ない壁が華やかになりますね。
結納品は処分も丁寧に
日本で古くから行われてきた結納ですが、今では結納を行うこと自体が珍しくなりました。
美しい水引のついた結納品を実際に目にすることはとても貴重な体験だといえます。
結納品を飾っておく場所や保管場所に困ったり、処分方法も面倒に感じたりすることもあるかもしれません。
しかし、将来必ずいい思い出になるでしょう。
結納品にはふたりの今後の幸せを願う気持ちが込められています。
処分する場合は、できる限り丁寧に取り扱ってくださいね。