結婚式と披露宴の違いを正しく理解している方は、どのくらいいるでしょうか。
「実はよく分からない……」「違いが曖昧……」という方のほうが多いかもしれません。
結婚式と披露宴は違うものであり、それぞれの役割も異なります。
今回は結婚式と披露宴の違いやそれぞれの役割などについて、徹底解説していきます。
結婚式とは?
結婚式とは、新郎新婦が神様や仏様、ゲストに見守られながら永遠の愛を誓い合う儀式のこと。
キリスト教式(教会式)の結婚式で行われる、ベールダウン・ベールアップや指輪交換、誓いのキスなどの儀式が有名です。
日本では挙式と披露宴を一緒に行うことが多いため、一般的には「挙式と披露宴を合わせたもの」のことを結婚式と呼んでいます。
挙式とは?
挙式とは、文字通り「式を挙げること」を意味しますが、現在では主に「結婚を誓い合う儀式」そのものをさすことが多いようです。
そんな結婚式の挙式には、キリスト教式・神前式・人前式・仏前式などさまざまなスタイルがあります。
結婚式で選ばれることの多い4つの挙式スタイルを見ていきましょう。
キリスト教式(教会式)
新婦のこれまでの人生を表しているといわれるバージンロード。
自分の結婚式で「父親と腕を組んでバージンロードを一緒に歩きたい!」と憧れを抱いている女性も多いのではないでしょうか。
キリスト教の神様の前で結婚を誓うキリスト教式は、結婚式の4つの挙式スタイルの中で最も人気があります。
キリスト教式の結婚式では、カトリック派なら神父が、プロテスタント派なら牧師が結婚式の進行役を務めます。
ゲストは新郎新婦が行うさまざまな儀式をそばで見守りながら、挙式後はフラワーシャワーやリボンシャワーなどで新郎新婦を祝福するのが一般的です。
神前式
神前式は、神社や神殿などに祭られている神様に誓いを立てる挙式スタイルです。
日本の伝統的な結婚式の挙式スタイルで、白無垢や色打ち掛けといった和装を着るのが特徴です。
神前式では神社の宮司が結婚式の進行役を務めます。
雅楽の美しい音色が奏でられた厳かな雰囲気の中、祝詞奏上や三献の儀、玉串奉奠といった儀式が執り行われます。
近年人気が上昇している、日本ならではの和の要素を取り入れた結婚式(=和婚)です。
人前式
人前式はキリスト教式や神前式のように神様に結婚を誓うのではなく、結婚式に参列してくれたゲストに対して結婚を誓う挙式スタイルです。
多くの場合、ゲストからは拍手などで結婚の承認を得ることになります。
人前式は宗教色のない結婚式のため、「こうしなければならない」というルールやしきたりがありません。
そのため、ほかの結婚式の挙式スタイルと比べて自由度が高く、ふたりだけのオリジナリティ溢れる結婚式が叶います。
仏前式
仏前式とは、お寺や自宅の仏様の前で夫婦となる誓いを立てる結婚式の挙式スタイルです。
4つの挙式スタイルの中では最も少数派なので、あまり馴染みがないという方もいるかもしれません。
仏前式では、司婚者(しこんしゃ)と呼ばれる僧侶が結婚式の進行役を務めます。
ふたりが現世で出逢えたことをご先祖様に感謝しながら、現世だけでなく来世まで添い遂げることを誓うのが大きな特徴です。
厳かで落ち着いた雰囲気の中で行う結婚式を通して、ご先祖様の存在の大きさや大切さを改めて実感できるでしょう。
仏前式では、数珠が必要だったり焼香があったりと仏前式ならではのアイテムや儀式があります。
なお、仏教には浄土宗・浄土真宗・天台宗・曹洞宗・真言宗・臨済宗・日蓮宗などの宗派があるため、仏前式を選ぶ際には両家の宗派に気を配る必要があります。
結婚式の挙式スタイルはどうやって選ぶ?
結婚式の挙式スタイルを選ぶ理由は人それぞれ異なりますが、以下の場合が多いようです。
- 白無垢を着たいから(神前式)
- 映画のようにバージンロードを歩いてみたかったから(キリスト教式)
- 両家で宗教が異なるため(人前式)
ほかにも結婚式場の雰囲気で選んだり、親の意向で選んだりする方もいるようです。
披露宴とは?
披露宴とは招待したゲストに対して、結婚相手をお披露目するパーティーのこと。
新郎新婦が親族や学生時代からの友人、職場の上司や同僚などゲストを招き、豪華な食事やアルコール、歓談や余興などを一緒に楽しむお祝いの席です。
披露宴は挙式のあとに行われるのが一般的です。
結婚式における披露宴は、新郎新婦が結婚したことを広く知ってもらう機会であり、世界中で古くから行われています。
新郎新婦は大切なゲストをもてなすためにさまざまな演出を考え、披露宴当日に向けて準備をします。
よく行われる演出には、次のようなものが挙げられます。
- ウェディングケーキ入刀
- ファーストバイト
- 鏡開き
- 思い出のムービー上映
- 両家の親への手紙
- 記念品贈呈
- ファーストダンス
また、ゲストには乾杯の挨拶やお祝いの言葉を述べてもらったり、余興を担当してもらったりすることもあります。
笑いあり涙ありの披露宴は、新郎新婦だけでなくゲストたちの記憶にも残るでしょう。
また、披露宴にはさまざまなスタイルが存在します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大人数パーティー
披露宴の王道といえば、大勢のゲストを招待して行うパーティーです。
親族だけでなく友人や職場関係のゲストなどを招待し、もてなします。
ゲストの人数が多ければ多いほど華やかなパーティーになりますね。
ただし、大人数に対応できる式場探しや大人数ゆえのアクシデントやトラブルへの事前の対策が必須と言えるでしょう。
1.5次会パーティー
1.5次会とは、2次会よりはフォーマルで披露宴よりカジュアルなイメージのパーティースタイルです。
カジュアルさと格式のバランスが取れたパーティースタイルとして人気があります。
1.5次会では会費を設定する場合が多く、かしこまり過ぎずに一緒に楽しめるのが特徴です。
海外挙式を選んだカップルが、別日に1.5次会パーティーを開催するパターンが多いようです。
2部制パーティー
同じ日に披露宴を2回行うスタイルです。
1回目の披露宴では親族や上司、2回目の披露宴は友人を中心に招くなど、1回目の披露宴と2回目の披露宴でゲストの顔ぶれを選択できます。
格式を重んじる目上の方向けの披露宴と、カジュアルな雰囲気の披露宴を2度行うため、幅広いゲストに満足してもらえるでしょう。
2回とも披露宴を同じ会場で行うと、装花やウェルカムスペースの費用等も1回分で済みます。
親族のみのパーティー
親族だけを招いて行う、食事会に近いアットホームな披露宴のスタイルも人気です。
身内だけで行う披露宴なら緊張しすぎることもなく、リラックスしながら和気あいあいとした雰囲気の披露宴になります。
大人数のパーティーが苦手なカップルや予算に限りがあるカップルに人気があります。
ゲストと新郎新婦の距離が近いのが最大の魅力です。
挙式のみ、披露宴のみもアリ?
日程の関係や新郎新婦の強い希望などにより、挙式のみあるいは披露宴のみを行う結婚式はアリでしょうか。
結論からいうと、挙式だけ、披露宴だけというのも実は問題ありません。
日本では挙式のあとに披露宴を行うことが一般的なので、「結婚式は挙式と披露宴を両方とも行わなければならない」と勘違いしている方も多いようです。
しかし、そのような明確なルールはないため、必ずしも両方行う必要はありません。
とはいえ、やはり多くの人にとって一生に一度きりの結婚式ということもあり、両方行うカップルが多いのも事実です。
ゲストの人数が制限されることも多い神社での神前式や海外挙式、国内リゾート婚を挙げるカップルが、挙式とは異なる日に改めて披露宴を行うケースも増えています。
挙式と披露宴を別日程で行うことで、ゲストとの関係性によって招待する・しないを決めることができるメリットがあります。
両方を一緒に行う場合でも、親族だけの挙式と派手な演出を省いた小宴スタイルの披露宴にするなども自由です。
自分たちに合った結婚式のスタイルを選びましょう。
結婚式をする理由や意味
結婚式はカップルによって行う理由や意味がさまざまです。
よく挙げられる、多くのカップルが結婚式を行う理由や意味を見ていきましょう。
親孝行のため
結婚式や披露宴は、今まで育ててくれた親や祖父母に感謝の気持ちを伝えられる良い機会でもあります。
普段は恥ずかしくて言えないという方も、結婚式という一生に一度の晴れ舞台では素直に感謝の気持ちを伝えられるのでしょう。
結婚式や披露宴では、新郎新婦の親が涙を流して感動したり喜んだりしている姿がよく見られます。
新郎新婦にとってはそんな親の姿を見られただけで、「結婚式をやってよかった」「親孝行ができた」と感じられるでしょう。
友人や親族などに祝福されたいから
結婚式を行うときは、学生時代から仲の良かった友人、公私ともにお世話になった職場の先輩や上司、幼いころから面倒を見てくれた叔父や叔母などを招待するのが一般的です。
結婚式ほどこれまでの自分の人生に関わってくれた人たちが一堂に集まる機会はありません。
自分にとって大切な人たちに、結婚式という新たなスタートを切る瞬間に立ち会ってもらいたい、祝福してもらいたいと考えるカップルも多いようです。
多くのゲストに囲まれて結婚式を行うことができたら、より一層幸せを実感できるでしょう。
人生のけじめとして
結婚式を「これからふたりで共に歩んでいく」という決意表明の場として捉え、「人生のけじめ」として結婚式を挙げるカップルもいます。
結婚式において多くのゲストの目の前で一生の愛を誓うことで、夫婦としてのけじめにつながります。
親の希望
結婚式で「娘の花嫁姿を見たい」「息子のタキシード姿を見たい」と願う親は多いものです。
素敵なウェディングドレスや白無垢などに身を包み、多くのゲストに祝福され幸せそうな娘や息子の姿を見られるだけで、親はこれ以上ない幸せを感じます。
また、親世代にはまだまだ世間体を気にする方も多く、自分の子どもには結婚式を挙げてほしいと思っている場合もあるでしょう。
新郎新婦本人は結婚式や披露宴に興味がなかった場合でも、親の希望を叶えるために結婚式を挙げる場合もあるようです。
披露宴を行う理由や意味とは
続いて、披露宴を行う理由や意味を見ていきましょう。
結婚相手を披露する
結婚式に招待した大切なゲスト一人ひとりに、自分が結婚する相手を直接披露できるのが披露宴の場です。
披露宴ではゲストとの距離も近くなるため、「これからも夫婦ともどもよろしくお願いいたします」という気持ちを伝えることができます。
夫婦としての新たなスタートを見守ってもらうことで、改めて「これから力を合わせて頑張っていこう」という気持ちになるでしょう。
ゲストをおもてなしする
披露宴はゲストをおもてなしするための宴でもあります。
披露宴では豪華な料理やさまざまなアルコール類が用意されますが、これらにはこれまで自分たちを支えてきてくれたゲストに対する感謝の気持ちが込められています。
まとめ
結婚式や披露宴とはなにか、それぞれの違いと役割を解説しました。
結婚式とはふたりが永遠の愛を誓う儀式のことで、披露宴とはお披露目パーティーのことです。
挙式と披露宴はセットで行うことが一般的ではありますが、明確なルールはないため必ずしもセットで行う必要はありません。
結婚式や披露宴を行う理由や意味をふたりで考え、両家の親の意見も聞きながら、自分たちに合った結婚式のスタイルを話し合ってくださいね。